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長期×分散×積立で資産運用

前回資産運用の必要性で、4つの資産の過去25年の騰落率を説明しました。今回は、もっと具体的に説明します。

 

長期について

相場の格言に「木は庭に植えずに山に植えよ」があります。身近な庭に植えると、毎日眺めて、まだ大きくならないのかと気をもむばかりです。ところが、山に植えると、時折行ってみると、いつの間にか大きく育っていることに驚きます。日々の株価に一喜一憂し、高く買って、安く売ってしまうことにもなりかねません。

また、長期投資をすることで、得られたリターンを再投資し、さらに運用することで、リターンが増幅していく複利効果が得られます。この効果は、運用期間が長いほど、より大きくなることが期待されます。アインシュタインが「人類最大の発見」は「複利」だと言ったそうです。

72の法則:お金を運用する場合、お金が複利で2倍になる期間が大まかにわかる算式。

72÷金利=お金が2倍になる期間

例えば、「金利3%でお金を運用した場合、何年で2倍になるか」を知りたいとき、「72÷3=24」約24年で2倍になる。

 

分散について 

投資対象の分散 株式や債券のように値動きが異なる傾向にあるものに分けて投資をする。

投資対象地域の分散 国・地域・通貨など分散して投資する。

時間の分散 買う時期を分散することで、価格変動のリスクを抑え、損をしにくくなる。これは、積立で説明します。

前回の4つの資産で分散投資の重要性を説明しましたが、個人や初心者でも、簡単に複数の資産に分散投資を行うことができるものに、バランス型ファンド(投資信託)があります。少額(1万円以下)から始められますので、初めての方にも安心です。

投資信託とは、投資家(一般の皆さん)から集めたお金をもとに、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株や債券などの複数の商品に投資・運用し、リターン(利益)がでれば投資家に分配するという金融商品。その中で、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券の4つの資産をバランスよく、たとえば25%ずつに投資する投資信託のことをバランス型ファンドといいます。

投資信託では、運用期間中に信託報酬というコストがかかり、これが大きいと長期運用成果に大きな影響を与えます。また、販売手数料も原則かかります。そのため、ファンド選びの際は注意してください。

 

 積立について

積立投資は、少額から始められ、まとまったお金を用意する必要はありません。

定額購入法(ドル・コスト平均法)は、毎月など定期的に定額で購入する方法で、商品の価格が安い時は数量を多く、価格が高い時は数量を少なく購入することになります。

ただし、相場が継続して上昇し続ける場合等、一括投資の方が有利な場合があります。

 

つみたてNISA、iDeCoについて

つみたてNISAやiDeCoは「長期×分散×積立」が出来るものです。

つみたてNISAは、信託報酬が低く、販売手数料も0円(ノーロード)の低コスト商品に限定。

iDeCo:確定拠出年金は、加入者である個人が自分で掛金の運用方法を考え、老後の資金づくりのための制度です。掛金の主な負担者に応じて、「個人型(iDeCo)」と「企業型(企業型DC)」の2つの制度があります。

つみたてNISAやiDeCoは、いずれも一定期間、運用益非課税、iDeCoは拠出金が全額所得控除などの税優遇が受けられます。

 

是非、これを機会に「貯蓄から投資へ」自分に合った金融商品を探してください。